映画「レッドクリフ」試写会

レッドクリフ
RED CLIFF / 赤壁
 正直なところ三国志には興味がない。というか、興味を持ったところで途中で挫折するのが目に見えているので手を出せない。今月、講談社文庫の新刊をチェックすると、吉川英治三国志が新装版として出ていた。見ると、帯に映画化の宣伝らしき俳優の写真が載っていて、「ビジュアル的には楽しめそうかな」と思ったけど、やっぱりスルー。
 そして今日、『レッドクリフ』の試写会を見に行かないかと誘われた。レッドクリフって、タイトルは聞いたことあるけどどんな映画?と聞いたら、三国志だという。「赤壁の戦いだよ」と呆れられてしまった。すみません無知で……。
 そんなわけで、三国志も読んだことない、ジョン・ウー映画も見たことないという状態で、『レッドクリフ』を見てきた。客層は、三国志好きっぽい男性や、試写会常連っぽい奥様方、何かのゲームが好きらしい若い女性グループなど、結構バラバラで面白かった。
 公開前なので、ネタバレは避けつつ、ちょっとだけ感想。


 冒頭でいきなり日本語ナレーションが入るので、あれ?日本映画だっけ?と、予備知識がないため混乱してしまう(笑)。本編はちゃんと中国語だった。中国映画は言葉が全くわからないから、戸田女史の字幕(監修つき)に頼るしかない。英語も苦手だけど、それでも一応英語の時は耳も使ってるんだなと、他言語の映画を見た時に実感する。
 感想は、三国志に何の思い入れもないからこそ、楽しく見られたという気がする。戦闘シーンや合間のエピソードで見せ場を長めに取るので、そこもうちょっと縮めてもいいんじゃない、と思う場面がちらほら。でも映画的誇張を塗して描かれる張飛関羽趙雲甘興らの超人っぷりはなかなか痛快でいい。LotRにおけるレゴラスみたいなものだ。
 『英雄 HERO』を見た時も思ったけど、中国映画はエキストラを大量に使うことでCGではない迫力を出せるのがいい。一撃で殺される歩兵にも血が通っているのがわかる。ただ、士気の上がる場面ですごくやる気なさそうな顔の兵士もいるのがちょっと気になる。
 映画にありがちなロマンス要素クローズアップもあるんだけど、小喬が私の好みじゃないのが残念。孫尚香の方がまだいい。けど、女性陣では糜夫人が一番好感度が高かった。
 一応、三国志を知らない私みたいな人への配慮のある映画で、日本語字幕は何度も何度も人物紹介をしてくれる。もうわかったよ、と言いたくなるけど、ちょっと助かった。

 ぶっちゃけ興行的には微妙っぽい気がする。でも私はそんなちょいコケ映画が好き。『アラモ』(2004)とか好きな人にはおすすめしたいかも(笑)。3部作なら考えちゃったけど、2部作だというから次も見ようと思う。それほど間が空かないし。

 アホな感想としては、趙雲がかっこよかった。孔明がえろかった。ヒゲ好きは必見。