『雛鳥は愛で孵る』和泉桂

 嘯風館シリーズ第2弾。このシリーズでは佳人と雪華が好きで、真ん中の雛鳥はあんまり……かと思っていたけど、じっくり読んだらこれもよかった。元々身代わりものが好きだからかもしれない。眼鏡×眼鏡ってちょっと新鮮。都築は性格に難があるというけど、独占欲が強いとか好きな子をいじめたいとか、そういうのはむしろ大歓迎だ。充は内気ではあるけど、うじうじ逃げ回るばかりでもないので、好感の持てる範囲。社交的で快活な従弟の方が不器用な恋愛をしているのが可愛かった。
 ストーリーには関係ないけど、結構重要なシーンで目立つ誤字が続けてあって、ちょっとがくっとなった。とくに唐詩はちょっとね(笑)。